いては暫《しばら》くの間、重き沈黙が続いたのちわれわれは出がらしの紅茶と不調和と鬱陶《うっとう》しさを食べて出た。
しかしながら、大阪のカフェーは旅の空か何かで訪問したらさぞ不思議な竜宮《りゅうぐう》だろう。和洋の令嬢と芸妓《げいぎ》、乙姫《おとひめ》のイミタシオンたちがわれわれを直《すぐ》に取り巻いてくれる。しかし彼女たちは踊らず、歌わずただ取り巻いてチップだけは受取ろうという訳だから、十分間で十分の退屈を味わうことが出来るかも知れない。だがしかし、あれは一体要するに、何をして遊ぶ処だか、あのややこしい、近代性は飲み込めないのだ、しかし、名称は女|給仕人《きゅうじにん》だから給仕のつもりで控えている訳だろう。だが、それにしてはあまりに多過ぎるうるさい悩ましくも美しい給仕人ではある。とにかく大阪のみに限らず日本の近代風景は、かなりの悲劇だ。ともかく決して面白くもないが、万事を諦《あき》らめて、私はやむをえず心斎橋筋をそれでも歩いて見る。
観劇漫談
どんなくだらない展覧会でも、決して見落したことがないという絵画愛好家がある如く、本当の芝居好きという人物になると、如何なる芝居
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