いった具合に変なものが重なり合っていて、それがまたお互いに相当の繁盛もしているというのは、まったく現代には前申した如き、あらゆる御世の心が積み重なり合ってまだ生きているからでもありましょう。私の心の中を覗いただけでもどれだけ不似合のものが合同して、住んでいることでしょう。その代りその不似合のものを私などはやけ糞でことごとくを味わっていますがなかなか多忙であり、同時にまた私はどこの国民だかわからない位の存在の如き有様を自分で感じます。
 例えばカツレツで晩めしをたべ、あとはお茶漬けを致しましてラジオを聞きます。新内は明烏です。すぐそのあとで蓄音機です。来た来たショウボートの唄が響き渡ります。今の今、女郎は旧日本の末期的な涙を絞っていまして、私もやるせない心に迷っていましたのに、次の瞬間にはパフパフパフ、シャフシャフシャフといって踊らねばならないのです。多忙なことではありませんか。
 これらをせめて多少とも整理して、何とか一筋のまとまった単位を定め掃除し、整理するのは次に生まれてくるところの心から新鮮な赤ん坊達の力に待たなければいけないかと存じます。
 そして老いたるものは何か気のすむだけ
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