展覧会を見るに一番から百番までの目録が大部分草花静物であったりすることがある。何のことはないお花の会である。
静物画はいながらにして出来ることと室内における題材の欠乏と、構図の取捨の勝手が出来る自由さ等によって、どうも嫌味なものが出来やすい。その上に感激性が不足し、必然性を失い、やむを得ず描いた退屈さを現すことが多く、したがっていい静物画ははなはだ少ないものである。
[#地から1字上げ](「みづゑ」昭和五年一月)
西洋館漫歩
私の市内散歩に興を添えてくれる一種の建築がある、それは明治の初め頃に建てられたいわゆる西洋館と称せられる処の建物である。それらの建物は概して木造でありペンキが塗られていたり、漆喰《しっくい》であったりして少しも欧洲の古い建築の如き永久的な存在の感じを起させない処の建物ばかりである。でも私たちは子供の時からこれらの西洋館によって外国というものを夢見さされていたものである。ロンドンや巴里《パリ》はこの居留地のような処だとも思っていた。ところでだんだん、どうやらそうでもないらしく思えて来て、とうとう私が巴里へ到着した時、巴里はとても古めかしく荘厳な石の蔵の
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