大阪弁が近頃は東京でも一般に通用するようになって来たと思う。私が試みに使ってみても誰も笑うものがなく意味がよく通じる。ややこしい言葉は今はもう大阪弁ではないようだ。大体誰にでもこの心がけが潜んでおり、それを滑らかに表現するのにはなるほど便利な言葉だと気づいたのかも知れない。その代りうるさい悩みはいよいよややこしく成長するだろう。
展覧会案内屋
私は花を買ったので描こうと思ってカン※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]スへ多少の色を塗り始めた頃、友人が電話をかけて来た。二科会で油絵が一枚買いたいと思うから案内してくれというのである。
少しでもよい絵を撰択してやることは職責上当然のことでもあると思ったから早速承諾した。
それから二人で会場をうろついていろいろの絵について私はいろいろと説明した。ところで私が弁士の如くさんざん重たい口から説明してしまってああ草臥《くたび》れたと思った時分に友人がいうのに、いくら君が説明してくれても、自分にわからない絵を買って客間へ懸けておくことは不安で堪らない。客間へ通る皆さんが口を揃えて立派な絵です、よい出来です、よいお買物をなさった、といっ
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