えば下手《げて》で大げさな耳隠しともなる。
 その他、絵かきさんと心安くなるのも結構ですが、いらぬ絵を持ち込まれるのがうっとうしゅう[#「うっとうしゅう」に傍点]てという言葉もしばしば聞かされる事である。
 うっとうしいに対してはでな[#「はでな」に傍点]という言葉もある。水死美人が浮上った時、はでな[#「はでな」に傍点]もんが浮いてまっせという。八百屋《やおや》の女房が自転車に乗って走ったらはでな仕事[#「はでな仕事」に傍点]となるし、百号を手古摺《てこず》ってナイフで破ったといえばはでな[#「はでな」に傍点]事をしたと感心してもいいのである。とにかく関西にはかなり便利で意味深きなおかつ深刻にしてユーモアの味を含めるいろいろの言葉のある事を私は面白く思い、ちょっと紹介したまでである。

   ノスタルジー

     1
 私は画家き[#「画家き」は底本では「絵描き」]である、したがって絵でものを現すことは比較的らくに出来るが、同じものを文章で現そうとすると随分の苦労を感じる。
 例えばある男が腹を切っている形を絵で描けば、人はなるほど切腹していると思ってくれる。そして凄いとか、いや
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