生涯《しょうがい》を思えばただごとではない気がいたします。目に見えぬ悪業《あくごう》があなたの氏《うじ》につきまとっている気がいたします。静かに業《ごう》のつきるのを待ち平和な来世《らいせ》をお迎え遊ばすよう、私はひたすら祈ります。今あなたの心に起こっていることは世にも恐ろしいことでございます。あなたの来世を魔道に落とさぬよう。
俊寛 わしのこの、この骨髄《こつずい》に徹《てっ》する恨《うら》みをどうするのだ。あゝわしの受けた苛責《かしゃく》がどれほどのものだったか! わしはよい人間ではないかもしれない、だが、かほどの苛責がわしに相当しているだろうか。少なくともわしは清盛《きよもり》ほど悪虐《あくぎゃく》ではないつもりだ、彼ほど人を傷つけてはいないつもりだ。天はその清盛をどのように遇しているか!
有王 あゝ私もそれはわかりませぬ、が、清盛の積んだ悪業はきっと罰《ばち》を受ける時が来ると思います。
俊寛 あゝわしはその罰を呼び起こすのだ。その罰を七倍にしてやるのだ。彼を地獄《じごく》に引きずり落としてやるのだ。
有王 ご主人様、なにとぞお心を静めてください。清盛の懲罰《ちょうばつ》は魔王
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