かけても彼らを守ってくれると信じていた。わしに聞かせてくれ。聞かせてくれ。わしの妻はどうしていますか。
有王 (何かいいかけてやめる。あわれむごとく、俊寛の顔を見、顔をそむける)
俊寛 言ってくれ! 有王よ。わしはたいてい想像している。どんな恥な暮らしをしていてもわしはもはや驚きはしない。
有王 (苦しそうに)あゝ、私の申し上げることはもっと悪いことでございます。
俊寛 (青ざめる。心を確かに保とうとつとめつつ)わしは覚悟している。
有王 (堪《た》えかねたるごとく)西方《さいほう》におわします奥方様。ご主人様のお心をお支えくださるように!
俊寛 あゝ亡《な》くなったか。自害《じがい》したか。
有王 (思いきりたるごとく)幾たびかそれをくわだてられました。そのたびごとに私が必死になっておとどめ申さなかったら、あなたが西八条に捕《とら》われていらっしたあと、平氏の役人どもが館《やかた》に押し寄せて近親のかたがたをことごとくからめとり、連れかえって拷問《ごうもん》し、謀叛《むほん》の次第《しだい》を白状させてことごとく首をはねました。もし重盛《しげもり》が命乞《いのちご》いをしなかったら、
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