。地上の限りを越えたその幸福をわしはなんと言って表わしていいかわからない。あの阿弥陀経《あみだきょう》のなかに「諸上善人倶会一処《しょじょうぜんにんくえいっしょ》」というところがあるね。わしは多くの聖衆《しょうじゅ》の群れにかこまれた。みな美しい冠をかぶっていらしたよ。わしはもったいなくて頭が下がった。わしもきょうからその列の中に加えられるのだと聞いたとき、わしはうれしさに涙がこぼれた。と見るとわしの頭にも同じような美しい冠が載せてあるのだ。その時|虚空《こくう》はるかに微妙《みみょう》なる音楽がきこえ始めた。聖衆の群れはそれに合わせて仏様を讃《ほ》める歌をうたわれた。すると天から花が降って来て、あたりは浄《きよ》い香《かお》りに満ちた。わしは金砂をまいた地の上に散りしく花を見入りつつこれこそあの「曼陀羅華《まんだらげ》」というのであろうと思った。その時私は目がさめたのだ。
唯円 なんという尊い夢でございましょう。
勝信 美しく輝く冠ほど聖人《しょうにん》様にふさわしいものはございますまい。
親鸞 さめてから後も私の心はその幸福のなごりでおどっていた。けれどそのときからわしに一つの兆《
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