る時|室《むろ》の宿《しゅく》にお泊まりあそばしたとき、一人の遊女が道をたずねて来たことがある。そのとき法然様はどんなにねんごろに法を説き聞かせなすったろう。その遊女は涙をこぼして喜んで帰った。またお釈迦《しゃか》様の一人のお弟子《でし》が遊女に恋慕されたことがあった。その時お釈迦様はその遊女を尼にしてしまわれたという話もある。仏縁というものは不思議なものだ。その遊女のためにも考えてやらねばならない。唯円と遊女との運命のために祈ってやらねばならない。皆してよく祈って考えてみましょう。よいかね。私はここではお前たちの側ばかり言うのだよ。唯円には唯円でよく諭《さと》しきかせます。これから、お前たちはここをさがって、唯円を呼んで来てくれないか。
僧一 かしこまりました。すぐに呼んで参りましょう。
僧二 私たちはよく祈って考えてみなくてはなりません。
僧三 では失礼いたします。お心を傷《いた》めて相すみませんでした。
親鸞 いいえ。よく聞き分けてくれてうれしく思います。
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僧三人退場。
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親鸞 (ため息
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