ように思っているのよ。
かえで 私もほんとうのねえさんのような気がするのよ。
浅香 あなたが初めて家《うち》に来たとき、私の部屋《へや》に来てこれからお頼み申しますと言って、手をついてお辞儀をしたでしょう。私はあの時から妙にいとしい気がしたのよ。おかあ[#「かあ」に傍点]さんから、今度新しい子が来るから、お前の妹分にして仕込んでやってくれとかねてたのまれていたのよ。けれど私は別に気にも留めなかったの。それにあなたを一目見るとなんとも言えないあわれ[#「あわれ」に傍点]な気がしたのよ、あなたはきまり悪そうに、おずおずして言葉も田舎《いなか》なまりのままでしたわね。
かえで 私は勝手はわからないし、心細かったわ。あの時あなたは少し気分が悪いと言って火鉢《ひばち》にもたれて、何もしないでじっとすわっていらしたわね。私は優しそうなかただと思いました。だんだんつきあっているうちに、ほかのねえさんたちとは違ったさびしい、ゆかしいところが私にもよくわかって来たのよ。そしてすっかりあなたが好きになってしまったの。
浅香 あなたは初めはずいぶん苦しい目にあったわね。小さい身にはこらえ切れないような。

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