使いから、お掃除《そうじ》から、使わねば損のように皆が追い使いました。私はいっそ死んでしまおうと思った事もありました。
唯円 そうまで思い詰めましたか。
かえで えゝ。お皿《さら》を一枚こわしたと言って、ひどく、しつこくしかるのですもの。犬だの、青猿《あおざる》だのとののしるのですもの。それでも私は黙ってお庭のお掃除をしました。でも口ごたえでもしょうものなら、それこそたいへんな目にあうのですからね。私はちり取りを持ってごみ[#「ごみ」に傍点]捨てに川原に出ました。そして川の水の流れるのを見て立ちつくしました。その時私は死んでしまおうかと思いました。
唯円 ほんとにねえ。
かえで ねえさんがいてくださらなかったら、私はきっとあのころ死んでいたでしょう。
唯円 浅香さんはよくしてくれましたか。
かえで えゝ。影になり、日向《ひなた》になり、私をかぼうてくださいました。(間)私より小さい人が新しく来てからは私は少しはらくになりました。けれど今度はいやないやな事を強《し》いられました。
唯円 それはもう言わないでください。言わないでください。(目をつむる)
かえで こらえてください。私はあなた
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