にあゆむ)向こうの空まで。私の魂が挙《あ》げられるまで。
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[#地から4字上げ]――幕――
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    第一幕

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人物 日野左衛門《ひのさえもん》         四十歳
   お兼《かね》(その妻)       三十六歳
   松若《まつわか》(その息。出家して唯円《ゆいえん》)十一歳
   親鸞《しんらん》            六十一歳
   慈円《じえん》(その弟子《でし》)      六十歳
   良寛《りょうかん》(その弟子)      二十七歳
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      第一場

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日野左衛門屋敷。
座敷の中央に炉が切ってある。長押《なげし》に槍《やり》、塀《へい》に鉄砲、笠《かさ》、蓑《みの》など掛けてある。舞台の右にかたよって門がある。外はちょっとした広場があって通路に続いている。雪が深く積もって道のところだけ低くなっている。
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お兼 (炉のそばで着物を縫うている)やっとここまでできた。あと四、五日も
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