でも心ゆくだけしたいのである。
自分が一本の手紙を書けばどんなに喜んでくれるかもしれないハンブルな人がじつに多いのである。本当に自分はそういう人に対してはもったいない気がする。しかしそれだけのことさえも自分にはできないのである。しかも自分は多数の人々に公平を保つために一人に五、六行のはがきを出すような方法をとる気にはなれない。したがってある比較的少数の人々にかなり[#「かなり」に傍点]行きとどいた返事をし、またかなり[#「かなり」に傍点]しみじみと応接することによってこの第三の奉仕をさせて貰っている。そのためにはついにすべての手紙にことごとくは返事を書くことができず、来る人に毎日いつまでも面会することが許されない結果になる。このことはけっしてある人々には返事を書かなくてもいいと思い、またある人々にはお目にかからなくてもいいと思っているのではない。自分が千手観音でない人身であるために起こるやむをえない結果である。自分はこのことを歎かずにはいられない。もしこの土が浄土であり、自分が観音であるならば、かかる歎きはなくてすむはずである。自分はかかる土とかかる身分とを憧れずにはいられない。自分
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