いか。これは見かけのままにてはいかにしても不合理である。しかし天上の知恵者はそれを合理的と考え得るのであろう。かく考え得る根拠と自信とがあるのであろう。私たちが地上を去ったときその秘密が解るのではあるまいか。
純潔なる青年よ、諸君はあるいは私の言説をきわめて空想的となすかもしれない。それは諸君があまりに女に対して現実的なる先輩を持ちすぎているからである。天なるものにつきての考察を等閑《なおざり》にする近代の文化に毒されているからである。もし中世の人ならば私の言説を最も普通のこととして聴いたかもしれない。諸君の先輩の多くの人々はおそらく「女」をただ性欲の対象としてのみ取り扱っているであろう。比較的真面目にして、恥を知れる人といえどもおそらくおのれは女に囚縛せられざる容易なる位置に立って、女の発散する美しき気分を享楽する態度をとっているのであろう。かかる種類の人が最も多い。そして最も不幸なるは、かかる人々のなかには、かつては一度美しき、聖なるものとして恋に憧憬し、烈しき幻滅を経験して、恋のついにイリュウジョンにすぎざることを知り、女に対して貴き精神内容を盛ることを断念し、ついにただその色
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