香のみを享楽することの最も賢きにしかざるを説くに至りしものの多きことである。私はかく推移する道程には実感的な同情を禁じ得ない。諸君がその言説に動かさるるのはもっともといってもいい。実際かかる人々は目に涙して、自分の捧げた情熱のあまりに清かったことを惜しみ、払った犠牲のあまりに高価であったことを嘆ずるであろうから。彼らがもはや地上に「永遠の女性」を尋ぬることに倦むに至れる愁嘆は諸君を動かさずにはやまぬであろう。しかししかしそこに本道と外道とのきわどい分岐点がある。外道は「女」を透して輪廻に迷行し、本道は「女」を透して天界にせり[#「せり」に傍点]あげる。「永遠の女性」を地上に尋ぬるに倦みたる人は、すべからくそを天上に求むべきである。私はそこに恋と信との繋《つなが》りがあるような気がする。「永遠の女性」を求むる憧憬は人間の霊魂に稟在する善き願いである。その願いはついに地上では満たされないものなのかもしれない。しかしなぜそれゆえにこの願いを捨てねばならないのか? 何ゆえこの願いを墓場の向こうで成就させようと努めないのか。およそ人心に宿る願いはもしそれが善いものであるならばいかなる事障によって
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