рフ衰弱した肉体の内部からも無限の勇気が湧いて出るのだ。湯のような喜びが生命の全面を浸している。生命が燃焼して熱と力と光とを蒸発する。私はいまさらながら高き天と広き地との間に心ゆくばかり拡がれる生命の充実を痛感する。ああ私は生きたい。生きたい。彼女を拉《らっ》して光のごとく、雲のごとく、獣のごとく、虫のごとくに生きたい。
 げに恋こそはまことのいのち[#「いのち」に傍点]である。私はこのいのち[#「いのち」に傍点]のために努力し、苦悩し、精進したい。すべてわれらの恋によきほどのものはことごとくこれを包容し、よからぬほどのものはことごとくこれと戦って征服しなければならない。
 私の今後の生涯はこの恋愛の進展的継続でありたい。私らが恋の甘さを味わう余裕もなく、山のごとき困難は目前に迫って私らを圧迫している。私らは悪戦苦闘を強迫された。ああ私は血まみれの一本道を想像せずにはいられない。その上を一目散に突進するのだ。力尽きればやむをえない。自滅するばかりだ。
[#地から2字上げ](二十二回の誕生日の夜)
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 自然児として生きよ
       ――Y君にあたう――

 私はまずあ
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