し脳天をどやしつけ、きな臭い匂いでも嗅がせてやろう」藤作は益※[#二の字点、1−2−22]気を悪くしたが、「ヤッ」というと立ち上がり、一足引くと青眼につけた。と相手の田舎者は、同時にヌッと立ち上がりはしたが、うん[#「うん」に傍点]ともすん[#「すん」に傍点]ともいわばこそ、背後《うしろ》へ一足引くでもなく、ぼやっとして立っていた。位取りばかりは上段であった。

    合点のいかない剣脈である

「へ、生意気《なまいき》な、上段と来たな。今に見ていろひっくり返してやるから」じっと様子を窺った。相手の全身は隙だらけであった。「ざまア見やがれ田舎者め。構えも屁ったくれもありゃしない。全身隙とはこれどうだ。といってこれが機に応じて、ヒラリ構えが変るというような、そんなしゃれた玉ではなし、フフン、こいつ狂人《きちがい》かな。他流試合とは恐れ入る。かまうものかひっ叩いてやれ」
 ツト一足進んだ時、どうしたものか田舎者は、ダラリとしない[#「しない」に傍点]を下げてしまった。
「もしもしお尋ね致しますだ」こんな事をいい出した。「ちょっくらお尋ね致しますだよ」
「なんだ?」といったが秋田藤作すっか
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