てやろう」
そこで白法師は話し出した。
多四郎が山吹を瞞《だま》したこと、山吹が猪太郎を産んだこと、多四郎に怨みを返そうと、山吹が猪太郎の二の腕へ、二十枚の歯形を付けたこと、多四郎の真の目的は、宗介天狗の木像の、黄金の甲冑を盗むことで、それを盗んだ多四郎は、それを鋳潰《いつぶ》して売ったため、にわかに富豪になったこと、その甲冑を取り返すため、窩人達が人の世へ出て行ったこと、こうして多四郎の紋兵衛は、間接でもあり偶然でもあるが、とにかく葉之助に殺されたこと。さて窩人は葉之助の手で、多四郎の命は絶ったけれど、宗介天狗の甲冑を、取り返すことは出来なかったので、故郷八ヶ嶽へは帰ることが出来ず、今も諸国を流浪していること。――
これが白法師の話であった。
「久田の姥《うば》の執念は、私の力でもどうすることも出来ない。で、お前はいつまでも若く、いつまでも不安でいなければならない。……だがこれだけは教えることが出来る。お前はお前の力をもって久田の姥の執念を、あべこべに利用することが出来る」
「あべこべに利用すると申しますと?」葉之助は反問した。
「それは自分で考えるがいい」
白法師と別れ、
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