とそれを紙へ包んだ。
「少いけれど取ってお置き」
「これは旦那、済みませんねえ」
 小屋者はヒョロヒョロ辞儀をした。
「ところでちょいと頼みがある。動物を見せてはくれまいか」
「へえへえお易いご用です」
 若者は小屋の中へはいって行った。北山は後から従いて行った。
 小屋の中は薄暗く、妙にジメジメと湿っていた。小屋を抜けて庭へ出た。そこに幾個《いくつ》かの檻《おり》があった。いろいろの動物が蠢《うごめ》いていた。
 一つの小さな檻があった。
 その中に五、六匹の小蛇がいた。卯の花のように白い肌へ、陽の光がチラチラとこぼれ[#「こぼれ」に傍点]ていた。一尺ほどの小蛇であった。みんな穏《おとな》しく眠っていた。
 北山はその前で足を止めた。
 それから蛇を観察した。
「ねえ、若衆、綺麗な蛇だね」
 北山は若者へ話しかけた。
「綺麗な蛇でございますな。だが、大変な毒蛇だそうで」若者は恐《こわ》そうに檻を覗いた。
「何んという蛇だか知っているかね」
「山男達が云っていました。信州の国は八ヶ嶽、そこだけに住んでいる宗介蛇《むねすけへび》だってね」
「宗介蛇とは面白いな」北山はちょっと微笑した。

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