から外を覗いて見た。カッと外は赤かった。火は四辺《あたり》を照らしていた。今まで夜闇《よやみ》に閉ざされていた真っ黒の大地が明るんで見えた。
無数の人間の姿が見えた。
塔の上を振り仰ぎ、指を差して喚《わめ》いていた。踊り廻っている人姿もあった。
「残念!」と葉之助はまた呻いた。
煙りがドンドン上って来た。物の仆れる音がした。メリメリという音がした。火の粉がパラパラと降って来た。
塔は土台から焼けているのであった。
間もなく塔は仆れるだろう。
そうなったら万事休《おしまい》であった。
と、その時、狼達が、不思議な所作《しょさ》をやり出した。
次々に窓際へ飛んで行き、窓から外へ鼻面を出し、「ウオー、ウオー、ウオー、ウオー」と長く引っ張って吠え出した。
これぞ狼の友呼び声で、深山幽谷で聞く時は、身の毛のよだつ[#「よだつ」に傍点]声であった。
「これは不思議」と葉之助は、窓から下を見下ろした。
奇怪な事が行われた。いや、それが当然なのかもしれない。
友呼びの声に誘われたように、あっちからもこっちからも狼が――いや、熊も土佐犬も、そうして豹までも走り出して来た。
パッと
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