」
一人の信徒が叫び声を上げた。が、すぐにその信徒は、虚空を掴んでぶっ[#「ぶっ」に傍点]倒れた。肩から大袈裟に斬られたのであった。
尚二、三本松明は、大広間を茫《ぼう》と照らしていた。
その一本がバサリと落ちた、松明の持ち主が「ムー」と呻き、床へ倒れてのたうっ[#「のたうっ」に傍点]た。見れば片手を斬り落とされていた。
と、もう一本の松明が消えた。つづいてもう一本の松明が消えた。
部屋の中は闇となった。その暗々たる闇の中で、信徒達は揉み合った。
互いに相手を疑ぐった。手にさわる者と掴み合った。
そうしてドッと先を争い、戸口から外へ逃げ出した。
その中に葉之助も交じっていた。部屋の外は広い廊下で、左右にズラリと部屋があった。その部屋の中へ信徒達は、蝗《いなご》のように飛び込んだ。
一四
葉之助は廊下を真っ直ぐに走った。
廊下が尽きて階段となり、階段の下に中庭があった。
そこへ下り立った葉之助は、ベッタリ地の上に坐ってしまった。そうして丹田《たんでん》へ力をこめ、しばらくの間|呼吸《いき》を止めた。それから徐々に呼吸をした。と、シーンと神気が澄
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