そうしてそのまま気を失った。
    ……………………
    ……………………
 新鮮な空気がはいって来た。
 葉之助は正気附いた。
 そうして自由に息が出来た。
 だが身動きは出来なかった。
 彼はやはり穴の中にいた。
 土が一杯に冠さっていた。
 しかし痲痺からは覚めていた。毒薬の利《き》き目《め》が消えたのであろう。
 どうして息が出来るのだろう? どこかに穴でも開いたのであろうか?
 そうだ、穴があいたのであった。
 ちょうど彼の口の上に、穴があいているのであった。
 しかし普通の穴ではなかった。
 竹の筒が差し込まれているのであった。
 誰がそんなことをしたのだろう? もちろん誰だか解らなかった。
 とまれそのため葉之助は、一時死から免《まぬ》がれることが出来た。
 彼は充分に息をした。どうかして穴から出ようとした。しかしそれは絶望であった。
 で、じっ[#「じっ」に傍点]として待つことにした。
 するとその時竹筒を伝って、人の声が聞こえて来た。
 彼に呼びかけているのであった。
「鏡殿、葉之助殿」
 それは男の声であった。
 そうして確かに聞き覚えがあった。
 そこで葉之
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