こす》っている。
「なんと源兵衛、どう思うな!」
「恐れ入ってござります」
「中《あ》てようと思えば中《あた》る矢だ」
「申すまでもございません」
「どうだ、印可《いんか》は確かであろうな」
「いやもう印可は抜いております」
「三蔵とはどっちが上手だ?」
「これは段が違います」
「そうであろう」と頷いたが、葉之助の方へ眼をやると、「さて、お前に聞くことがある。中《あ》てずに縁を擦《こす》ったは、竹林派に故実あってかな?」
「いえ、一向存じませぬ」
 葉之助は空|呆《とぼ》けた。
「知らぬとあってはしかたもないが、そちの学んだ竹林派について、詳しく来歴を語るよう」
「はっ」
 と云ったが葉之助、これはどうも知らぬとは云えない。そこで形を改めると、
「竹林派の来歴申し上げまする。そもそも、始祖は江州《ごうしゅう》の産、叡山《えいざん》に登って剃髪《ていはつ》し、石堂寺竹林房|如成《じょせい》と云う。佐々木入道|承禎《しょうてい》と宜《よ》く、久しく客となっておりますうち、百家の流派を研精し、一派を編み出し竹林派と申す。嫡男《ちゃくなん》新三郎水没し、次男弥蔵|出藍《しゅつらん》の誉《ほま》
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