を聞くと眼を見合わせた。
「何んと思われるな佐伯氏? この試合どう見られるな?」「ひょっと[#「ひょっと」に傍点]するとアテが外れますぞ。相手の勢いがあまりに強い」「藪《やぶ》をつついて蛇を出したかな」
葉之助贔屓の連中はこれに反して大喜びだ。
「見ておいでなされ白井誠三郎、一堪《ひとたま》りもなくやられますぜ」「全体あいつら生意気でござるよ。こっぴどい[#「こっぴどい」に傍点]目に合わされるがよい」
「静かに静かに、構えましたよ」
「どれどれ、なるほど、青眼ですな……おや白井め振り冠りましたな」
「葉之助殿の位取り、なかなか立派ではござらぬか。あれがヒラリと変化すると白井誠三郎|刎《は》ね飛ばされます」
五
今や葉之助は中段に付けて、相手の様子を窺《うかが》ったが問題にも何んにもなりはしない。で、葉之助は考えた。
「かまうものか、ひっぱたいて[#「ひっぱたいて」に傍点]やれ」
トンと竹刀を八相に開く。誘いの隙でも何んでもない。まして本当の隙ではない。それにもかかわらず誠三郎は、「ヤッ」と一声打ち込んで来た。右へ開いて、入身《いりみ》になり右の肩を袈裟掛《け
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