世辞笑いをした。
「これこれお半、香具師がな、お前に何か呉れるそうだ。それを機会に仲宜くするよう」
「まあまあ左様でございますか。この妾への下され物、さあ何んでございましょう」お半の方は柔かく笑った。
「はいはいこれでございます」
壺と吹管とを取り出した。
「唐土渡来の幻覚眠剤、この吹管へ詰めまして、寝乍ら一服喫いますと、何とも云えない美しい夢を見つづけるのでございます」
「これはこれは不思議な薬、ほんとに可い物を下さいました」お半の方の涼しい眼が、この瞬間キラキラと光った。
「香具師、そいつは本当かな」宗春は如何にも興ありそうに「本当にそんな夢を見るのかい?」
「何んの偽り申しましょう。極楽の夢、お伽噺の夢、珊瑚の夢、琥珀の夢、はいはい見えるのでございますとも」
「俺も一服喫って見たいものだ」
「では今晩めしあがりませ」お半の方は意味ありそうに云った。
一六
「ねえ殿様」とお半の方は、溶けるような媚を作り「いろいろ珍らしい機械だの、眠剤などを戴いた上は、何か此方からも香具師殿へ差し上げなければなりますまい」
「うん、いい所へ気が付いた。お前何か欲しいものは無いか」
「
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