ようにしてあげよう。だが只じゃあ真平だよ。物事には報酬がある。そいつを妾は貰い度いのさ。つまり換っこという訳さ。ねえ、お前さん何うだろう?」
「さあ」と老人はくすぐった[#「くすぐった」に傍点]そうに「私に出来ることならね」
「そりゃあ出来るとも、お手の物なのさ」
「で、一体どんなことかな?」
「妾は人一人殺し度いのさ」
「ほほう」と老人は驚いたように云った。
「私に手助けでもしろって云うのか?」
「まあね、そうだよ、間接にはね」
「どんなことをすれば可いのかい?」
「機械を一つ造っておくれな」
「何、機械? どんな機械だ?」
「人を殺す機械だあね」
「匕首《あいくち》で土手っ腹を刳るがいいやな」
「そうしたら人に知れるじゃあないか」
「それじゃあ殺しても、殺したということの解らないような、そういう機械が欲しいのだな?」
「金的だよ、大中り」女の笑う声がした。「お前さんには出来る筈だ。人の心を見抜く機械、それを造ったお前さんじゃないか」
 老人は暫く考えていた。
「だがな」と老人は軈て云った。「機械よりも薬の方がいい」
「毒薬なら痕跡を残すだろうに」
「残らないような薬もある」
「ああ
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