いうものだろう。一旦作られた其機械は、機械として精々と進歩する。そうして人間をやっつける[#「やっつける」に傍点]! [#底本では「!」の後の全角スペースなし]だがそんな事ァどうでもいい。切るか切らねえか二道だ! おい大将、どうしてくれるんだよう!」
ノサバリ返った態度には、大丈夫の魂が備わっていた。
尾張中納言宗春は、じっと様子を見ていたが、莞爾と笑うと刀を置いた。
「これ香具師、もっと進め」
「へい」
と恐れず進み出た。
「よく見抜いたな、俺の心を」
「それじゃァ矢っ張り江戸に対して?」
「が、先ず夫れは云わぬとしよう。……さて、そこで頼みがある。どうだ香具師、頼まれてくれぬか」
「わっち[#「わっち」に傍点]の力で出来ますなら?」
「お前の器量を見込んで頼むのだ。お前でなければ出来ない仕事だ」
「見込まれたとあっては男冥利、ようがす、ウントコサ頼まれましょう。……で、お頼みと仰有るは?」
「うむ、他でもない、城の縄張」
「ナール、城の縄張で」
香具師は小首をかしげたが、
「どこへお築きでございますな?」
「どこへ築いたら可いと思う?」
「成程、こいつあ尤だ。そいつから考え
前へ
次へ
全86ページ中31ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
国枝 史郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング