おっとドッコイ云い過ぎた! そこまで云うんじゃァ無かったっけ。……が。併しだねえ殿様、芝居は止めようじゃァございませんか。刀は鞘に納めた方がいい。お互いその方が安穏でげす。但しほんとにお切んなさるなら、わっち[#「わっち」に傍点]の方にも覚悟がある。やみやみ殺されはしませんよ。と云うのは此機械だ」
透視光をポンと投げ出すと、布呂敷包へ手を掛けた。取り出したのは鉄製円筒、一本の管が付いていて、横手に捩が取り付けられてあった。
「即ち孔明水発火器! 捩を捻ると水が出る。が、只の水じゃァねえ。火となって燃える大変な水だあの赤壁の戦で、魏《ぎ》の曹操の水軍を焼討ちにしたのも、此機械だ! さあ切るなら切るがいい。切られた途端に捩を捻る。一瞬の間に大火事だ! 結構なお城も灰燼だ。お前さんだって黒焦げだ。家来方は云う迄もねえ、可愛いお神さんもお坊ちゃんも、無惨や無惨や白骨だ! さあ切るならお切りなせえ……考えて見りゃァ脆えものさ。人間なんていうものはね! 素晴らしいのは機械だよ! が、その機械は誰が作った? 同じ人間だから面白え。人間が考えて作った機械それが人間を殺すんだからな! そこらが矛盾と
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