れたんだ、どうかマア旨く役立つといいが」
「役立つとも役立つとも。俺らきっと役立たせてみせる。伝説によるとこの壺は夜な夜な不思議をするそうだ」
「へえ、不思議をね? どんな不思議だろうな」銅助は怪訝な顔をした。
「そいつも今の所わからねえ。この福の神を手に入れてから、まだ一晩も寝て見ねえんだからな」
「そうすると今夜が楽しみですね。小判の雨でも降るかもしれねえ」
宝壺! 宝壺! ほんとに怪異など起きだすだろうか?
果然怪異は起こったのであった。
深夜、壺は音楽を奏した。
非常に微妙な音楽であった。
同時に人々は亢奮《こうふん》した。鼬《いたち》が檻を食い破り、主人の喉笛へ喰らい付いた。
それは決して福の神ではなく、むしろ災難《わざわい》の神であった。
「釜無の文」は喰い殺された。
次にこの壺を手に入れたのは、文の手下の銅助であった。
「うん、俺は大丈夫だ。きっと福の神にして見せる」
で、それを枕元へ置き、安らかに眠ったことである。
すると、音楽が聞こえてきた。彼はにわかに胸苦しくなり、無宙《むちゅう》で飛び起きて駈け廻った。
そうして柱へ頭を打ちつけ、血を吐いて死ん
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