、女軍のようなところもある。そういえば武器さえ貯えている。
今こそ秩父の山中にいるが、以前には信州や上州や、美濃や飛騨にもいたそうである。
わけのわからない団体なのであった。
五十五
そこで鯱丸に訊いたのであった。
ところが鯱丸の返辞たるやまことに、簡単なものであった。
「人里の人間を憎んでいる、尼さん達の集まりなので。時々行衛を眩《くら》ますのは、人里へ出て行って掠奪《りゃくだつ》をやるので。そうしてお師匠さんの素性はといえば、謀反人の血統だということなので」
こう云われていよいよ桔梗様には、山尼の性質が解らなくなった。
しかしそれよりも桔梗様にとっては、一式小一郎の身の上が、心にかかってならなかった。芹沢の里で別れて以来、絶えて消息を聞かないのである。死んだであろうか、生きているだろうか? その点さえも心もとない。
それより何より桔梗様には、小一郎が恋しくてならなかった。自分はこんな山の中にいる。恋人小一郎の行衛は知れない。もう一生逢えないかもしれない。これが悲しくてならないのである。それにしても何んの必要があって、自分をこんな山の中へ、山尼達は攫
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