対照の男女があった。
「ねむねむゴー、ねむねむゴー、こうおっしゃったのでございますよ。ほんとに面白いお師匠様で」
こう云ったのは鯱丸《しゃちまる》である。
「ねむねむゴー、ねむねむゴー、面白い言葉でございますこと、どういう意味なのでございましょう」
こう云ったのは桔梗様である。
「そうかと思うとお師匠様は、こうも云うのでございますよ。鯱丸よ鯱丸よパッチリコ! 鯱丸よ鯱丸よパッチリコ!」
「おやおや今度はパッチリコで、どういう意味なのでございましょう」さも楽しそうに桔梗様が訊く。
「そうかと思うと、お師匠様はこう云うのでございますよ」またもや鯱丸はやり出した。
「グルグルチン! グルグルチン!」
とうとう桔梗様は吹き出してしまった。
「だんだんむずかしくなりますのね。ねむねむゴーからパッチリコになり、そうしてそれからグルグルチン……何んだか妾には解らない」
「何んでもないのでございますよ」いよいよどうやら鯱丸は、その説明に取りかかるらしい。「ねむねむというのは、眠れということで、ゴーというのは鼾《いびき》のことで、つまりゴーッと鼾を立てて、眠れということなのでございますよ。私が晩《
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