ら》はどうした」
「桔梗様は」
互いに呼び合い注意し合ったが、駈け隔てられ追い詰められ、一所になることも出来なければ、頭の松代や桔梗様を、探し出すことも出来なかった。
「もうこうなっては仕方がない! 死ねや死ねや、切り死にをしろ!」
そこで六人六方へ分かれ、飛び込んでは叩っ切り、引っ返しては叩っ切る。
全く混戦となったのである。
月光は益※[#二の字点、1−2−22]冴えて来た。四方《あたり》が明るく暈けて来た。
その中で乱闘が行われている。
あっちに一団、こっちに一団、切り結んでいる影が見える。
サ――ッと一組が走り出す。サ――ッと一組が追っかける。
組と組とがぶつかり[#「ぶつかり」に傍点]合う。
ヒュ――ッと笛の音がする。
そっちへ走《は》せ付ける人の影!
と、すぐに太刀の音!
混戦! 混戦! 混戦! 混戦!
四十五
次第に時間が経って行く。
時間が経つに従って、一ツ橋勢が益※[#二の字点、1−2−22]気負い、七福神組がそれに反し、気萎《きな》えするのは当然と云えよう。
こうして間もなく七福神組は、一人残らず討ち取られるだろう。
前へ
次へ
全229ページ中182ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
国枝 史郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング