し蹴仆した筈であるが、どうしたものか姿が見えない。
これは見えないのが当然であった。七福神の連中と来ては、動作の素早さ身の軽さ、驚くべきものがあるのであった。で、布袋と大黒だが、投げられ蹴仆された一瞬に弾んだ毬のように刎ね上がり、刎ね上がった時には横へ反《そ》れ、闇を領して繁っている、楓の植え込みの真ん中へ、飛び込んで姿を眩ませたのである。
「可笑《おか》しいなあ」と集五郎は、刀の柄へ手を掛けながら、油断なく前後を睨め廻わしたが、自然と気配が感じられたのだろう。楓の植え込みへ眼をつけた。じっと見込んだが愕然とした。異風をした六、七人の人間が、地上に腹這い鎌首を立て、こちらを狙っている姿が、闇を一層闇にして、黒々と浮かんで見えたからである。
そこで集五郎は大音を上げた。「やあ方々お出合いなされ! 我らの秘密の道場へ、またも何者か忍び入ってござる! しかも今回は一人ではない、六、七人はおりましょう! いずれも異風の怪しい連中! 討ち取りなされ! 討ち取りなされ!」刀を引き抜くと「出ろ汝《おのれ》ら!」
ガラガラガラ! と戸を開ける音や、バタバタバタ! と走り出る音が、四方八方で聞こえ
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