感心を致してございますよ。……云わぬと決心したからには、そこまで徹底しない事には、本当の女丈夫とは申されますまい。嚇して聞こうと致したは、妾の間違いでございました。もうもうすることはございません。……が、桔梗様、そうは云っても、妾も女方術師の、冷泉華子でございますよ。これと一旦決心したことは、きっとやり通してお目にかけます。たとえば……」というと冷泉華子は、いよいよ声を優しくしたが、「たとえばあなたを隅田の屋敷から、ここへお連れして来ましたのも、そうしてあなたが、三浦三崎の、木精《こだま》の森から下られて、江戸へおいでになりました事を、探って知ったのも妾でございます。もっとも直接それをしたは、妾の部下で一ツ橋の家臣の、南部さんというお侍さんと、その一味ではございますが、命じたのは妾でございます。……いやそればかりではございません。まだ色々のことを知っております。昆虫館が閉ざされたこと、郷民がみんな立ち去ったこと、みんな探って知っておりました。知ろうと思えばどんなことでも、きっと妾は知ってみせます。で……」と云うと冷泉華子は、穏かではあるが気味の悪い、叮嚀《ていねい》ではあるが威嚇的の、
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