敷の前で、にわかにプッツリと切れてしまい、つづいて幽かではあったけれど、水門の開く音がした時から、この物語の局面は、新しく展開されることになった。
まず隅田のご前様が「来たな」と云うと立ち上がり、それから桔梗様へ云ったものである。
「お前もおいで! 度胸がある。見せて置いてもいいだろう。……紹介《ひきあわ》せて置こう、変った奴らを。無頼漢《ならずもの》どもだがためにもなる奴らだ」
で、部屋から廻廊へ出た。云われるままに立ち上がり、桔梗様が後から従った。
少し行くと階段になる。螺旋《らせん》形をした階段である。下り切った所に池があった。隅田の川水を取り入れて、作ったところの池らしい。小さい入江! こう云った方がいい。小|船渠《ドック》! こう云った方がいい。水がピチャピチャと石段を洗い、小波をウネウネと立てている。石段の左右に龕《がん》ある。青白い燈火《ひかり》が射しいる。その燈火に照らされて見えるのは、七福神の宝船、それに則って作られた船と、満載されてある武器弾薬と、そうしてそれへ乗り組んでいる、七人の異様な水夫《かこ》達であった。
いやもう一人|人《ひと》がいた。それは水に濡
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