た。
この一行が進めば進むほど、その一行を惑わかすかのように、野には諸々の草や木の花が、数を尽くして咲いていた。
で、一行は我を忘れて、先へ先へと歩いて行く。
いつか白河戸郷を巡っている、連々たる丘からは遠く放れて、曠野の中央の辺りまで行った。
惑わしでなくて何であろう! 一行の進んで行く方角に、白河戸郷を敵と目して、日頃から争いをつづけている、丹生川平があるのであるから。
が、勿論彼女達といえども、五里のへだたりを持っている、丹生川平の領域へまでは漫歩をつづけて行きもしまいが、もしも丹生川平の住民が、この方面へ様子を見に来て、彼女達の姿を認めたならば、見遁して置くようなことはあるまい。
しかし花野の美しさは、彼女達にそういう危険をさえ、感じさせないように思われた。
花を摘んでは手に抱え、歌いながら先へ進んで行く。
丹生川平の人々
はたしてこの頃一群の人数が、丹生川平《にゅうがわだいら》の方角から、こなたへ向かって歩いて来た。
その中の一人は意外にも、醍醐《だいご》弦四郎その人であり、その他は恐らく丹生川平の、住民達であろう、筒袖を着て山袴を穿いて、腰に一本ずつ脇
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