話していた娘なのだ。……今、あの二人は夫婦になっている。夫婦にしたのはこの俺さ。……が、俺はもう二人の男女を、ほんの最近に夫婦にしてやった」
 そういう言葉の終えない内に、小姓の京助が再度あらわれて、慶正卿に囁いた。
「待っていたのだ、通すがよい」
 間もなく部屋へ入って来たのは、宮川茅野雄と浪江とであった。浪江は丸髷に結っていた。
 つづいてもう一人の若く美しい、無邪気らしい乙女が入って来た。
 将監の娘の小枝《さえだ》であった。
 ――が、俺はもう二人の男女を、ほんの最近に夫婦にしてやったと、慶正卿の云った男女が、この茅野雄と浪江なのであった。
 そうして小枝と茅野雄夫婦とは、いずれも仲のよい友達であり、三人ながら慶正卿の館へ、伺候することを許されている、そういう身の上になっていた。
「何か珍らしい話はないか?」
 慶正卿が三人へ訊いた。
 と、小枝があどけなく云った。
「刑部老人の蒐集室へ参り、このような物を買うて参りました」
 取り出して見せたのは宝玉をちりばめた、美しい異国風の簪《かんざし》であった。
 慶正卿はとりあげたが、
「碩寿翁、これを値踏みしてごらん」
 こう云って
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