ら、三人の男と一人の女とが、長閑《のどか》そうに話しながら来たからであった。
「はてな」と、弦四郎は打ち案じた。
「遠目でハッキリとは解らないが、見たことのあるような連中だ」
で、じっと尚も見た。
歩いて来る四人は何者なのであろう?
一人は一ツ橋|慶正《よしまさ》卿であり、一人は松平|碩寿翁《せきじゅおう》であり、一人は刑部《おさかべ》老人であり、一人は巫女の千賀子なのであった。
「よい眺めだの」と、慶正卿が云った。
「花園のようでございます」
碩寿翁がすぐ応じた。
「こういう景色を見ていれば、悪事などしたくなくなるだろうな」
「まさにさようでございます」
「京助などという穏しい手代を、殺そうなどとは思うまいな」
「とんだところでとんでもないことを」
「が、安心をするがよい。あの男は私が助けてやった。今頃は貧しいが清浄な娘と、つつましい恋をしているだろう。……それはそうと千賀子殿」
「はい」と、千賀子は慇懃《いんぎん》に云った。
「昔のあなたになれそうだの」
「殿様のお蔭にございます」
「それはそうと刑部老人」
「はい」と、刑部老人は云った。
「その物々しい白い髯は、そうそう苅
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