どうにも私には解らない!」
すると今度は浪江が訊ねた。
「それにしても、あなた様には何の目的で、あの晩あのような場所へ参って、あのようなことをなさいましたので?」
「内陣の様子を見ようものと、忍んで行ったのでございますよ」
「でも父上からあなた様には、止められているはずではございませんか。内陣を見てはいけないと」
「さよう、ですからより[#「より」に傍点]一層に、内陣が見たかったのでございますよ」
「好奇心からでございましょうね?」
「好奇心からでございますとも」
「でも好奇心は好奇心のままで、うっちゃって[#「うっちゃって」に傍点]お置きなさいました方が、よろしいようにございます。……好奇心は好奇心をとげた時に、値打《かち》を失うでございましょうから」
「値打を失なってしまいたいために、好奇心というものは強い力で、人間に逼るものでございますよ。好奇心は力でございます」
森林の底と云ってもよかろう。特に薄暗い所へ来た。杉だの桧だの※[#「木+無」、第3水準1−86−12]《ぶな》[#「※[#「木+無」、第3水準1−86−12]」は底本では「撫」]だの欅だのの、喬木ばかりが生い茂って
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