て、勘三が小間使いに住み込ませたのは、事実勘助を女だと思い、そうやって住み込ませて置くうちに、物にしようと思ったからであった。
お島がお菊を恋したのは、結局同性の恋ではなく、異性同士の恋なのであったが、お島はそれを知らなかった。最後まで知らなかったということである。
海外の歌
一
「桜月夜で明るいじゃアないか! それを何んだい、ぶつかりゃアがって!」
無頼漢風の逞しい男が、自分の方からぶつかりながら、こう京一郎へ難題を出した。
「とんだ粗相をいたしました、真《ま》っ平《ぴら》ご免くださいますよう」うるさいと思ったので京一郎は詫びた。
「いけねえいけねえ言葉ばかりじゃアいけねえ、やい何んとか色をつけろ!」
「色をつけろとおっしゃいますと?」
「解らねえ奴だな、いくらか出せ!」
「へええお銭をでございますかな」
「あたりめえよ、膏薬《こうやく》代だ」
「と云うと怪我でもなさいましたので」
「え、怪我? うん、したした! 大変もない怪我をした。だからよ、出しな、膏薬代をさ!」
「ちょっと拝見いたしたいもので」
「ナニ、拝見? 拝見とは何をよ?」
「大変もな
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