ような物を一眼見ると、それを利用してそれに類した物を、なるほどあの仁なら作られるでござろう。……それはそうとカランス殿には」
貝十郎は改まって訊ねた。
「奥の部屋においででございます」
「では」と貝十郎は立ち上がった。「吉雄殿にもどうぞご一緒に」
「よろしゅうござる」と幸左衛門も立った。
二人につづいてお島も立ち上がり、二人につづいて奥の部屋の方へ行った。
お島に取ってはこの部屋も、この部屋にある諸※[#二の字点、1−2−22]の器具も、五十年輩で威厳があって、それでいてどことなく日本人ばなれしている、吉雄幸左衛門という人物も、驚異には値《あたい》していたが、不思議と恐怖には値していなかった。
(この人達なら助けてくださるだろう)
かえってそんなように思われたのである。
四
一本の蝋燭《ろうそく》がともっていて、その火を映した巨大な鏡が、部屋の正面の壁にあり、蝋燭の立ててある台の側に、長髪、碧眼、長身肥大、袍《ガウン》をまとった紅毛人が、椅子に腰かけて読書をしてい、それらの物の以外には、ほとんどこれという器具調度はない――と云う部屋は蝋燭の火と、それを映し
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