人は吾ら羅布《ロブ》人ばかりなのじゃ。吾ら純粋の羅布《ロブ》人はここの緑地《オアシス》に集まって吾らの唯一の守り本尊アラなる神を祠に祭りアラ大神の使者の燐光を纒った狛犬を神の権化と懼《おそ》れ恭い、数千年住んで来た。しかるに今から数年前|西班牙《スペイン》人の探検隊が羅布《ロブ》の沙漠へ襲って来て神の祠を破壊して経文の一部と羊皮紙と箱に納めた雄の球とを何処《いずこ》ともなく奪い去った。吾らの怒りは頂点に達し神に復讐の誓いをして、西班牙《スペイン》人の探検隊の頭目の行衛を探索した。そして計らずもその頭目が西班牙《スペイン》の首府のマドリッドの市長の要職にいると聞き吾らは雀躍して喜んだ。そこで一隊の暗殺団をマドリッドへ向けて送ってやった。そして巧妙なる手段をもって最初に経文を取り返した。そしてその次には他の一団が――それも沙漠から送ったのだが――その二回目の暗殺団が市長の胸へ短刀の切尖《きっさき》を深く突きさした。市長はしかし死ななんだ。死なないばかりか決心して、ラシイヌなどという私立探偵へ水晶の球と羊皮紙を託し沙漠の秘密を探らせようと探検隊を組織させた。――ラシイヌ達の一行はこの二回目の
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