暗殺を「第二獣人事件」と云っている――探検隊を組織したという噂を知ったので、途中に迎えて水晶球を奪い取ろうと思いつきエルビーを汽車まで向かわせたのじゃ。お前の邪魔でこの企ては到頭失敗したけれど、邪魔をしたお前が味方となり、白人達の奪い取った水晶球をまた奪って緑地《オアシス》へもたらせてくれたからには、恩こそあれ恨みはない……ところでお前は支那人だのにどういう理由《わけ》で白人達の探検隊に加わったのか?」
老人は不思議そうに私を見た。それで私は私自身のこれまでの経歴を物語った。老人は黙って聞いていたが、
「お前は回鶻《ウイグル》語が読めるのか? 袁世凱《えんせいがい》のくれたという手箱の中の羊皮紙をどうしてお前は読んだのじゃ?」
「鉄の手箱には原文と一緒に訳文がはいっておりました。袁世凱の勢力で回鶻《ウイグル》語の学者を呼びよせてひそかに訳させたのかもしれません」
老人はなるほどと頷いて、それっきり何んにも云わなかった。
翌日私達は家を出た。十里の道を二日かかってロブノール湖まで歩いて行った。既に土人が用意して置いた獣皮の小船が湖の岸に音もなく静かに浮いていた。三人はそれへ飛び乗
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