ったいあの祠には何が祭ってあるのだろう! 彼らの神か? 宝物か? そして大きなあの丘はただ砂の堆積《つも》ったものだろうか? それとも何かがあの丘の中に隠されてあるのではあるまいか?
「神秘! 神秘! 要するに神秘! 湖水と同じくただ神秘!」
 私は心で呟いて四辺の様子を見廻した。すると私はこの辺一体――もちろん砂丘も引っ包《くる》めて土地の低いのに気が付いた。

        三十八

 人猿と老人とに養われて私達は十日を経過した。ある朝、人猿の騒ぐ声が物々しく岩窟《いわや》まで響いて来た。そして意外にも大砲の音が湖水の向こうから聞こえて来た。
 私達はハッと飛び起きた。
 そして岩窟から走り出た。私達は何を見つけたろう? ……
 朝陽に輝く湖水を越え、原始林の緑を背中にして遙か向こうの湖水の岸に五、六十人の人間が、大砲の筒口をこっちへ向けて群像のように立っている。
「ラシイヌ探偵の一行だ!」
 ダンチョンが嬉しそうにこう叫んだ。
「しかし」
 と私は躊躇《ちゅうちょ》した。
「袁更生かもわからない」
 二人は熱心に眺めやった。
 危険に対して敏感な、人猿どもは大砲の音に、すっかり
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