うとしても重い眼瞼《まぶた》は益※[#二の字点、1−2−22]重くどうすることも出来なかった。それでも私は努力した。そしてようやく薄目を開けてあたりの様子を見ようとした。するとその時私の体を撫で廻していた手が止まった。いくらあたりを見廻してもそれらしい人の姿もない。ただここに一つ不思議なことには日光から私を防ぐため棕櫚《しゅろ》で拵えた大きな笠が私の体を蔽うている。そして砂地に足跡がある。跣足《はだし》の人間の足跡である。その足跡は海岸の背後《うしろ》の大森林まで続いている。岸辺を見ると繋ぎ止められたボートが水に浮かんでいて舟の中には元通り短銃《ピストル》や万年筆が置いてある。私はそこまで這って行ってそれらの物を取って来たが、もう這うことも出来なくなった。私は腹を砂の上へ丸太のように転ってそのまま昏々と眠りに入った。そうして再び目覚めた時には私の側に椰子の果実《このみ》と呑み水とが一椀置いてあった。果実《このみ》を食って水を飲むと私はようやく元気づいた。棕櫚笠を頭に戴いて短銃と弾丸帯を腰に着けて手帳と万年筆とは下衣に隠して林の方へはいって行った。何より先に蘇生させてくれた恩人の姿を見つ
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