種が集まって出来た土人軍の五十人が先頭に立って、進む後から、白人の一団が進んで行く、その後を小荷駄の一隊が五十人の土人軍に守られて粛々として歩をすすめる。数百年来人跡未踏の大森林は空を蔽うて昼さえ夕暮れのように薄暗く、雑草や熊笹や歯朶《しだ》や桂が身長より高く生い茂った中を人馬の一隊は蠢《うご》めいて行く。先頭の一団は斧や鋸で生木を払って道を造り岩を砕いて野を開き川を埋めて橋を掛け後隊の便を計るようにすれば、後隊の方では眼を配ってダイヤル人種、マキリ人種などの食人種族の襲撃から免れしめるように心掛ける。先頭の隊で太鼓を打てば後方《うしろ》の隊でも太鼓を打つ、白人隊で喇叭《らっぱ》を吹けば土人軍でも喇叭を吹く。そして時々喊声を上げて猛獣の襲来を防ぐのであった。白人は全部馬に乗り土人軍でも酋長だけはボルネオ馬に騎《また》がった。暁を待って軍を進め陽のあるうちに野営した。斥候《ものみ》を放し不眠番《ねずのばん》を設けて不意の襲撃に備えるのであった。一日の行程わずかに二里、目的《めざ》す土地までは一百里、約二ヵ月の旅行である。しかも最後の目的地にはたして宝庫があるや否やそれさえ今のところ不明で
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