男を催眠術師と思っていた。しかしそいつは違っていた。彼は道教の方士らしい。方士は自分の身代りに悪獣を使うということだ。その悪獣に法術を加えて獣の本性を失わせ、反対に自分の意志を注いで自己化した獣にするということだ。そうして自己化したその獣を※[#「馬/中」、第4水準2−92−79]※[#「くさかんむり/(歹+昜)」、105−2]《ちゅうちょう》と名付けるとかいうことを本国の図書館で見たことがある。あの猩々は※[#「馬/中」、第4水準2−92−79]※[#「くさかんむり/(歹+昜)」、105−3]《ちゅうちょう》なのさ。だから猩々は袁更生に代わって袁更生の役目を務めたのさ。紅玉《エルビー》を操《あや》つっていたのさ」

    第五回 宝庫を守る有尾人種(上)


        二十二

「皆さんの船がラブアン島辺で、支那の海賊に沈められたと、新聞で読んだ時の驚きと云ったら、いまだに心臓が躍っております。ところが当のあなたから一同無事に上陸したと入電した時の嬉しさは言葉で説明なんか出来ません。それで取る物も取り敢えず駈けつけて来たのでございますよ……」
 ――この一行の探検隊の先乗《さ
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