るのを待つという、これが彼らの手段だったのさ。はたして汽船が引っかかったね。汽船は綱を引っかけたままずんずん先へ進んで行く。汽船が進むに従って二隻の支那船は近寄って来る。とうとう汽船の横腹へ二隻の支那船がピッタリと左右から寄って来てくっついたものさ。一旦くっついた支那船は綱に引かれて容易のことでは汽船の腹から離れようとしない。そこで縄梯子を引っかける。それを伝たわって甲板《かんぱん》の上へ螽斯《ばった》のように躍り込む。拳銃を五、六発ぶっ[#「ぶっ」に傍点]放す。これで仕事は終えたのさ。どうやら僕の見たところでは、敵の大将袁更生殿は、僕の立っていた反対の側の支那船の中にいたらしかった」
「それにしても猩々《しょうじょう》は何んのために箱の中になんかいたんでしょう!」ダンチョンはにわかに眼を丸くして恐ろしそうに叫んだものだ。
「あれか」とラシイヌは頷いて、「あれには僕も驚いた。しかし後になって気が付いたが、魔法化された猩々なのさ。そして袁更生の身代りなのさ。つまり紅玉《エルビー》の監視者なのさ」
「どうも私には解りません」
「どうやら僕の袁更生観は最初とは多少変ったらしい。最初は僕はあの
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