澄江は地獄の亡者に逢った! ――とそんなような思いに等しい、恐怖と不気味とを感じながらも、この境地には自分一人だけしか、居ないものと今まで思っていたのに、他にも人のいることを知り、この点何と云っても心嬉しく、急いでそっちへ小走って行った。
「どういうお方々かは存じませぬが、妾は井上嘉門という……」
「解っているよ解っているよ」と、その中の一人の老人が――片眼つぶれている老人が、澄江にみんな話させようともせず、
「俺らもそうなんだ。恐ろしい主人に、井上嘉門殿に、いやいやいや、殿じゃアねえ、鬼だ魔物だ、その魔物の嘉門めに、この生地獄へ放り込まれた、生き返る望みのねえ亡者なのさ。お前さんだってそうだろうとも、嘉門めにここへ落とされたんだろうとも。……見りゃア奇麗な娘っ子だ、どうしてここへ落とされたか、その理由《わけ》も大概わかる。……嘉門の云うことを聞かなかったんだろうよ。……以前《まえ》にもそんな女があった。……源女とかいう女だった。……」
「お爺さん」と澄江は云って、縋るような気持で訊ねて見た。
「ここはどこなのでございます? どういう所なのでございます?」
「処刑場《おしおきば》だ、
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