なるほど逸見三家」と、多四郎は云って眼を見張り、
「逸見三家の家風については、拙者も遥かに承わり居り、不思議な大尽があるものと、疑惑を感じて居りましたが、その逸見三家と埋もれた黄金と、関係ありと仰せられまするかな?」
「あるやらないやら確かのところは、私にも即座には申し上げられませぬが、……さよう即座には申し上げられぬとし、貴郎様におかれてもせっかくのご来訪、何卒長くご逗留下され、ゆるゆるそのことにつきまして、お話しすることにいたしましょう」
 嘉門はここでも曖昧に云った。
 奥歯に物の挿まった態度、多四郎には少なからず不愉快であったが、押して尋ねても云いそうもないと、そう思ったので後日を期することにした。

 赤い提燈で道を照らし、澄江を裸馬にくくり付け、それを護った権九郎達は、無言で山道を進んで行った。
 その後を慕って要介達が行った。
 二里あまりも来たであろうか。その時突然行手にあたって、同じ赤い色の提燈の火が、点々といくつか見えて来た。
(おや?)と要介たちは不審を打った。
 が、権九郎たちの一行は、それが予定されたことかのように、少しも驚かず又動ぜず、その火に向かってこちら
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